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Artist's commentary
るかもしれない。
永遠亭に戻ってしまったら、もう二度と外に出れない気がして、私は人里に向かって歩いた。竹林を抜けて、暫く経つと、寂れた並木道を歩いていた。もう数刻行けば、人里につくだろう。当然、人里には、人が居る。どうしよう?。偶然沸いた勇気に任せて、ここまで歩いてきたけど、私は人と、相対できるだろうか?。思えば、永遠亭の住人以外と、私はもう何年も、会っていないし、見てもいない。そう考えると、胸が締め付けられて、歩を止めてしまうのだった。・・・部屋で篭っりぱなしだった私を見て、他人はどう思うだろうか?。他人と会った時、私は平静でいられるだろうか?。挙動不審にならないだろうか?。話しかけられたら、うまく喋れるだろうか?。そう考えると、胸が苦しくて、苦しくて・・・。その場でうずくまりそうになって・・・。でも、ここは外で。外で、うずくまったりして、誰かに見られていたら、変に思われるだろうし、話しかけられるかもしれない・・・。そう思うと、うずくまる事すらできなかった。・・・そう思って、はっと気づく。ここは部屋の中じゃなくて、外だ。外だから自分の思う様には過ごせない。誰かが居るかもしれない場所だ。私は、急に、ここが自分の部屋じゃ無い事に恐怖感を感じてきた。早く帰らなきゃ・・・・私が、ここを立ち去ろうとすると、どこかから子供達がじゃれあう声が聞こえた。その声に驚きつつ、恐る恐る声をする方向に私は目を向けた。