
Artist's commentary
秋雲のサークルも一段落し頼まれた買い物もあらかた終わって休憩中
長波達のコスプレ広場での宣伝活動が功を奏したのか、
夕雲姉発案の夕雲型総員バニー売り子隊が当たったのか
秋雲の描いた本も順調に売れ、このまま続けば完売は間違いないペースが見えてきたところで
秋雲が「挨拶を兼ねてサークル回りしてくるわ」と立ち上がったところ
そのまま崩れ落ちるようにその場に倒れた、修羅場のダメージが限界を迎えたらしい。
秋雲は遠のく意識を必死に奮い立たせ巻雲の手を握りながら
「巻雲、あんたなら、あんたならアタシの事を一番良く分かっているはずだ・・・」
との言葉を残し・・・・爆睡を始めた。
「はぁ・・・」と深いため息をつくと巻雲は普段秋雲が回っていたサークルをチェックし回ることにした。
秋雲の趣向は残念なことによく分かっている、長い付き合いだし普段から修羅場になると世話を焼いたりもしている。
幸い効率よく回る事が出来、秋雲がチェックしていたであろう本はあらかた買えたと思う。
バニー衣装のまま会場を回るのは酷く恥ずかしいけど案外慣れてしまうもので
すれ違った人が私に向けた視線を外せなくなっている事を感じると少し嬉しかったりする。
「はぁ、疲れました」
ホールとホールの間にカフェテリアがあったのを思い出しそこで一息つくことにした。
エスカレータに運ばれていく人達を眺めつつ
「このまま何事も無く終わりを迎えられれば言うことは無いですね」
とガムシロたっぷりのアイスコーヒーを口に運んだ。
周りの人達の会話が耳に入ってくる。
『ねぇねぇ、あの人もそうじゃないのかな?同じ格好してるよ』
『あー、きっとそうだ。コスプレ広場に居たバニーガールの子たち、凄いねー』
多分長波達の事だろう、話題になっているのがほんの少しだけ誇らしかった。
バシィ-ッ!
何か聞き覚えのある音がどこか遠くから聞こえた気がした・・・
それから暫くして周りの会話から姉妹たちがどうやら何かやらかしたらしい事が分かった。
・・・サークルに戻るのがすごく怖い